香月日輪さん「地獄堂霊界通信 全8冊合本版」
てっちゃん、リョーチン、椎名―。町内で知らぬ者とてないこのトリオ、誰が呼んだか「イタズラ大王三人悪」。この三人が街はずれにある薬屋「極楽堂」、通称「地獄堂」を訪れたとき、店主のオヤジに不思議な言葉を教えられた。「なうまくさまんだばざらだんかん」その呪文を唱えたとき、異世界への扉が開く!
Amazonより
以前に読んだ「超合本 妖怪アパートの幽雅な日常」と同じ作者さんのお話です。
Kindleの端末で、読み終えるまでの推定時間というのを表示されるようにしているのですが、読み始めた時は30時間超えだったような記憶があります。確かにそれくらいかかったような気がします。長かった。でも楽しかった。
この世界には、妖かしとか幽霊とか存在しているのだけれど、それは普通の人には見えていないだけで霊能力の高い人には見えるらしい。見えること、感じることができる人には辛いことも怖いことも多いのだけれど、共存することも可能だし救うことも可能だと。そして、人には発するオーラというものがあって、主人公の少年たちが発するオーラは、キラキラと輝き温かい。私のオーラはどうなんだろう。願わくはピンクで。でも、真っ黒かな。
この少年たちは、この後どんな人生を歩むのか知りたい。そして、地獄堂店主のオヤジの正体は?
作者の香月日輪さんですが、2014年に亡くなられたそうです。もっと読みたかった。残念ですね。ご冥福をお祈りいたします。
このお話の中で、蜘蛛の糸に関する記述があるのですが、芥川龍之介氏の「蜘蛛の糸」に通ずるものがあるようです。
以前、蜘蛛を殺してはいけないということを聞いた覚えがあって、それ以来、蜘蛛を見かけても放置しています。職場で蜘蛛を見つけた時「蜘蛛は殺してはいけないらしいよ」と同僚に言った後に、ボスが「あっ、蜘蛛」と言って丸めた新聞紙でバシーン!「… …」絶句しました。妖かし物が好きでよく読むのですが、言い伝えとかしきたりとかは蔑ろにしない方がいいのよね。と思う今日このごろです。