全14巻の長編小説。
2015年~2016年にかけて「小説家になろう」で書き続けられた小説。
https://ncode.syosetu.com/n4442da/
第1巻の葛野(かどの)編は、全体の内容で言えば序章にあたり、最終巻の平成編 泥中之蓮(でいちゅうのはす)で幕を閉じる。
主人公の170年に渡る物語。
2021年1月にKindle読み放題で4巻までレンタルして、読み終えた後に5巻以降は珍しく購入。
足掛け3年。
6巻まで読んだ後、7巻が発売されるのを待って購入したのだが、悲しいかな、時間が空いてしまったために、それまでの内容を所々忘れていた。
そこで、14巻が最終巻ということは分かっていたので、発刊の度に購入し、14巻まで揃ったら一気に読もうと我慢して我慢して今日を迎えた。
内容に関してはネタバレになってしまうので詳細は書かないが、あやかし物が大好きなので楽しめた。
昔、文明が発達する以前、夜は月明り・星明りしかなく、日が暮れてからあやかしの時間の始まり。
人を食らう鬼とその鬼を食らう鬼。そして魔を払う退魔師との戦いがありながらも、どこかで鬼と人は共存していたのではないだろうか。
現世と幽世で。
人が鬼に堕ちるのは、人を憎む心。愛ゆえに憎しみが生まれたり、嫉妬・ねたみ・ひがみ故だったりする。
そういった感情を抱かなければ、鬼とは無縁で生きていけるのかもしれないが、全く無くしてしまうのは無理だろう。
鬼になりたくないのであれば、過剰に反応せず「そんなこともあるよね」と軽く受け流して生きていくことか。
非常に難しいことではあるけれど。
実際、あやかし・妖怪というものが存在するのかは分からない。しかし、これだけ題材となっているからにはどこかにいるのだろう。
会ってみたい。まぁ、会ったら腰を抜かしてしまうのだろうが、もしかして、隣人や同僚が感情をあらわにした際、目が赤く光るかもしれない。
私がそれに気が付かず生活しているだけなのかもしれないし、私自身も目が赤く光る瞬間があるのかもしれない。
ああ、鬼は歳を取らないというから、年相応の見た目体力の私は辛うじて鬼にはなっていないようだ。
今年2024年、アニメ化されるらしい。
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現在、界隈を騒がせている原作改変とならないことを願う。視るけれど。